インタビュー


独占インタビュー 第46回  【特別企画】 高校スポーツのあした(5) 2010年05月27日

9.部活の禁止事項

【高校野球情報.com】【特別企画】 高校スポーツのあした

【国分先生】

「国分」 私なんかの場合はね、一応、男女交際は禁止でした。ただそう言ってもね、一番多感な時でしょう。人間って言うのはね、禁止っていう言葉に反発というか、嫌なんだと思うんだな、高校生時代。だから、私はあえてこう言ったんですよ。「男女交際は禁止じゃないよ」って。本当は禁止なんですよ、本当はね。「禁止ー」って怒鳴りたいくらい(笑い)でも、「男女交際は禁止じゃないよ。おまえたちくらいの年になれば、昔はお嫁にも行ったんだから。男を見て、素敵だなぁとか、かっこいいなぁとか、そう思うのは自然だって。でもな、人間って弱いんだよ。2つは出来ないよ。バレーの強いチームを作りたい、日本一になりたい、テレビに映って活躍していっていうのと、あの子と交際したいっていうのと。人間、2つはできないと俺は思う。俺も女の人を好きになるとそっちにパーッて行っちゃって、これじゃいけないと思いつつもパワーが二分される。おまえたちはバレーボールをやりに来たんだっていうことが1つ。で、このバレーボールを延々と一生やっていくわけじゃないんだ。3年間だけなんだから。今、この時期にバレーボールを一生懸命やることによって、それからしか学べないことを学んでいったらいいんでないか。おまえたちな、男に惚れるよりもよ、男に惚れられるような女になることが大事じゃないか。だから、男女交際は我慢をしろと。2つは出来ないから1番目のバレーボールをやれ」っていう表現でね、男女交際は一応禁止にしたんだけど、陰ではやっていたと思う(笑い)

「佐藤」 うちは「流行に惑わされるな」っていう事だけですね。

「佐々木」 男女交際は禁止ではないのでしょうか?

「佐藤」 そんなことも一切、話しません。そういう時間を作ったら、こっちがダメなんだろうなと(笑い)今はね、メールとかありますからね。それ以上に、流行に惑わされるなといって、技術的な、NBAっていう大きなやつがありますから。これは模範にもなるし、模範にならないところもたくさんあるんで。それから、スタイルですね、運動するときのね。例えば、今なんかもみあげを長くしたり、短パンも長いのはいたり。私は質素で流行に惑わされないで、あくまでも高校生らしくしておきなさいと。そのぐらいですかね。

「国分」 はぁ、なるほどね。佐々木先生どうですか?

「佐々木」 私はですね(笑い)

「国分」 何かあるんですか?

【佐藤先生・】

「佐々木」 監督になった時は男女交際OKにしていたんです。それで頑張れるんだったらいいんじゃない?って。野球も頑張りたい、活躍したいと思うんであれば。と思っていたんですけど、やっぱり、いろいろと問題というかですね、問題に至までの問題もなかったんですけど。今は、禁止にしているんです。でも、禁止とはいっても付き合っているんだろうなと。でも、水面下でしか動けないので、あからさまにどっかに出掛けたりはできないですよね。なので、いるのかなと思いながらも、禁止とは言っています。多分、付き合ってはいると思うんですけど。ただ、やっぱりですね、大学の時だったんですけど、(知り合いで)女性で人生変わってしまったとか、女性の方に走り込んでしまったとかいうケースがありました。私も監督になって1人だけ以前にいたんです。彼女ができて、おかしくなってしまってですね、ものすごく素材を持っている子だったんですけど、結局、途中で辞めたんです。周りから白い目で見られてしまってですね。なので、そういうこととですね。あとはこれ、禁止事項ってことではなかったんですけど。眉毛は、高野連でいじっちゃダメだって決まっているんですけど、多くが薄い状態になっている。うちはこれを守ろうっていうことにはなっています。

「佐藤」 明成高校っちゅうのは、女子校から男女共学になったんですよ。で、女子校の流れが強く残っているんです。

「国分」 残っているんですか?

「佐藤」 はい。男子を入れたけど、経営上、男子を入れたというかね、男を男らしく育てるなんていう教育っていうのはあまり感じられないんですよ。そこにね、私もひ弱さを感じるところがあるんですけどね。仙台高校の時はね、男女交際なんて、そんな。文武両道をうたって、男女交際なんかしていたらもう、勉強、バスケット、交際じゃ、3つなんか出来るわけねぇと。その時間を与えないように苦心したっていう(笑い)禁止するんじゃなくて、その時間、例えば、朝のホームルーム直前まで体育館で練習、昼休みも練習、放課後も練習、下校時間は全然違う。日曜日は朝から晩まで練習と。そうやってね、出来るわけがないよと。そういうのを暗黙に知らせていたっちゅうか(笑い)

「佐々木」 今、メールがあるのでやっかいなんですよね。

「佐藤」 そう、メールがあるからね。

佐々木 夜中まで。結局、メールのやりとりに時間、相当取られています。寮を見に行くとですね、携帯電話を握ったまま、メールを送信しないまま眠ってしまっているとか。なんか、メールが。

「国分」 でも、男の方はどちらかっていうと。俺がうらやましいなって思ったのはさ、男は加害者になっても被害者にはならないじゃん。女の子はほら、取り返しのつかないことが待っているからね。そういう練習以外の神経って、すごく使ったね。

「佐藤」 でしょうね。

佐々木 バレー部の子と野球部の子とかが付き合うとですね、全然、大丈夫なんです。お互い頑張っているので、頑張ってねってなるんですけど、クラブしてない子と付き合い始めるとですね、引っ張り始めるんです。時間が違うので。それでおかしくなっていきますね。

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10.東北人のメリット、デメリット

【高校野球情報.com】【特別企画】 高校スポーツのあした

【佐々木監督】


「国分」 いよいよ、こう、私がすごく聞きたいことなんですけど、東北人、先生も仙台高校、佐々木先生も黒沢尻北高校、俺も福島の高校。みんな、東北人なんだけど、この東北人のメリット、デメリットって、なんですかね?実際に指導して。

「佐藤」 うーん、そうですね。今はもう、熊本とかね、県外の選手がたくさん来ますので、ただ、これが東北のバスケットボールだよって言って、彼らに言えるところは、1つはやっぱり、粘りでしょうね。それも、俺、頑張っているんだぞっていう、そういう表に出さない粘りっていうんですかね。その東北人っちゅうのは、最初からみなさんと仲良く話しするのが不得意だと。でも、付き合っていくうちに味が出てくると。で、自分を最初からアピールするんじゃなくて、頑張って、コツコツ、コツコツ頑張っていって、そういうのが東北人で、ここで諦めないのも東北のバスケットだぞと。こういう風な言い方ですね。デメリットっちゅうのは、とんでもないすごいのがいると、それに飲まれちゃうっていう。私はそう思いますね。

「佐々木」 野球では関西のチームと戦っていると試合前から飲まれてしまうことがあるのですが、バスケットではそういうことはないんでしょうか?

「佐藤」 ありますよ。チームとしてではなくて、プレーヤーですね。すごいなって。さっき、留学生の話があったけど、こういうのが出てくると、パッとやられて唖然として見ているわけですよ。飲まれることは多々ありますよ。ただ、東北だと、能代工業っていうのは、昔は強かったから、東北となると、全国行っても、能代工業とよく戦っているチームだとなると逆に相手が飲まれてくれたこともある。でも、東北人としてというか、とんでもない能力のある選手、そういう能力のある選手に最初は飲まれますね。

「国分」 私、高校野球でね、今から6、7年くらい前だと思うんですけど、なんで東北の高校野球って勝てないのかなぁって、すごく不思議に思ったの。だって、ある高校では甲子園と同じようにライト、レフトまでの距離とかサイドラインからベンチまでの距離とか同じグラウンドを作ってやっていた高校もあるわけさ。そうやっていて、見ていても、素質的に違いはないのに、なんで勝てないんだろう?と思うと。毎年ね、春のセンバツとさ、夏の甲子園の時、必ず出るんですよ、新聞にね。監督の抱負とか目標とかって。だいたい、東北のチームっていうのは、みんな、初戦突破とかさ、できればベスト8とかさ。これはねぇんじゃねぇかなぁって俺は思ったね。今、WBCでもエース級のピッチャーがさ、その時の夏の甲子園だったかな、夏の甲子園で準優勝したメンバーがさ、レギュラー5人かな?残してさ、当然、東北大会で圧勝してさ、春のセンバツに決まったんだね。いよいよさ、その高校で出発式するわけさ、そしたらよ、監督さんも「初戦突破です」。キャプテンも「ベスト8です」って。こうやって言ってさ、で、グランドをテレビカメラが映していたんだよ。そしたら、バックスクリーンのボードにさ、初戦突破ってさ、こんな大きなのが4つさ。日本中の誰もがさ、今度はおまえんとこが勝つよって、優勝候補の一番だって言っていた。私も、今度こそ、東北で優勝旗が来ると思ったのさ。でもさ、それを見た瞬間に、はぁと思ったなぁ。これ本当なの?本当にそう思っているの?って。それとも、まぁ、まず、1回戦勝たなければ、2回戦はない。2回戦勝たなければ3回戦はない。そういう点では、初戦って大事だと思うけどもさ、ここまでくっと、謙虚とか控えめとかじゃなくて、消極的じゃねぇかと思ったなぁ。

「佐藤」 うん、うん、うん、うん。

「国分」 案の定。準々決勝、前半で5-1で勝ってたんだっけな。でも、簡単にひっくり返されて結局、キャプテンの目標通りベスト8だったよな。選手が飲まれるとか飲まれないとかいうより、監督の意識の低さがさ、やっぱりこの東北地方の結果の低さになっているような気がしてならねぇなぁ。7年ほど前にね、初めてですよ、青森山田高校がね、夏か春かの甲子園に行った時にね、「優勝します」って言ったのが。それ以降、あっちこっちの高校でね、「優勝します」とかね。



第6回に続く【全8回】

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プロフィール

国分秀男 氏
  • 生年月日:昭和19年3月28日
  • 出身地:福島県福島市生まれ
  • 福島高-慶応義塾大
  • 東北福祉大学特任教授(元古川商業高校女子バレーボール部監督)
  • 昭和48年、京浜女子商業高(現白鵬女子高)から古川商業高(現古川学園高)に奉職。商業科で教鞭を執る傍ら、女子バレーボール部を指導。
    春高バレー、インターハイ、国体で全国優勝通算10回(全国私学大会を含めると12回)。準優勝7回。第3位14回。平成11年には高校女子バレー史上5人目の「三冠王」監督となる。宮城県大会以上の優勝回数150回、全国大会出場77回を誇る。菅山かおる、板橋恵、大沼綾子選手など全日本に多数の選手を送り出している。
    平成16年4月から東北福祉大特任教授に就任し、「健康デザイン論」、「ヒューマンデザイン論」などを講義。全国各地で講演活動も行っている。好きな言葉は「夢を見て 夢を追いかけ 夢を食う」。
国分秀男

プロフィール

佐藤久夫 氏
  • 生年月日:昭和24年10月18日
  • 出身地:宮城県仙台市生まれ
  • 仙台高-日本体育大
  • 仙台大学准教授・明成高校男子バスケットボール部ヘッドコーチ 
  • 大学卒業後、宮城県内の公立高で教員として女子バスケットボール10年間、男子バスケットボール4年間の指導を経て、昭和61年、母校・仙台高に赴任し男子バスケットボール部を強化。以来、チームを全国上位に導き、仙台高で14年目、指導者として29年目の平成11年に全国高等学校選抜優勝大会(ウインターカップ)で初の日本一。翌、平成12年には国体、ウインターカップでの2冠を達成。平成8年から平成14年まではU-18日本代表のヘッドコーチを務める。平成14年、仙台高を退職。日本バスケットボール協会強化本部でエンデバー制度の一貫指導システムを構築。
    平成16年、仙台大准教授となり、平成17年に明成高男子バスケットボール部創部と同時にヘッドコーチに就任。創部5年目の平成21年、ウインターカップで明成高初の日本一に導く。実績がさることながら、その手腕は高校バスケ界NO.1と言われている。趣味は墨絵、囲碁、パソコン、カメラなど多彩。志村雄彦(bjリーグ・仙台89ERS)、宍戸治一(bjリーグ・埼玉ブロンコス)、佐藤濯(JBL・レラカムイ北海道)などを育てた。
佐藤久夫

プロフィール

佐々木洋 氏
  • 生年月日:昭和50年7月27日
  • 出身地:岩手県北上市生まれ
  • 黒沢尻北高 -国士舘大
  • 横浜隼人高コーチを経て、平成12年秋、花巻東高監督に就任。平成17、19年に全国高等学校野球選手権大会に出場。平成21年、第81回選抜高等学校野球大会に初出場し、準優勝。平成21年、第91回全国高等学校野球選手権大会では準決勝で敗れた。岩手の子どもたちだけでの日本一を目指し、全力で戦う姿で日本中に「花巻東旋風」を巻き起こした。社会科教諭。雄星(西武・菊池雄星)を育てた。
岸本耕作 さん